【9月 青森ヒバ】
こんにちは。みなさまお変わりありませんか。
さてさて早速ですが✨アロマテラピーで使う、精油。
ほとんどが輸入される中、日本で採取されている精油もあります。
スギやクロモジなどの樹木系が多いですね。柚子などの柑橘系もあります。
数ある国産精油の中でも、今回はヒバに注目してみたいと思います。
家に居ながら森林浴をしてみませんか(^^)
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【ヒバはどんな木?】
ヒバは日本特有の針葉樹で、アスナロやヒノキアスナロともいわれます。
2つの系統があり、木曽地方を中心に鹿児島県にかけて分布する南方系のヒバは「アスナロ」。
青森県を中心に北海道南部(渡島半島が北限)から関東北部(栃木県日光湯ノ湖付近が南限)にかけて分布する
北方系のヒバを「ヒノキアスナロ」といいます。
ここからは北方系ヒバのお話です。
ヒノキアスナロは、青森県・下北半島と津軽半島に集中して分布しています。
これらは特に「青森ヒバ」と呼ばれ、「木曽ヒノキ」「秋田スギ」と共に<日本三大美林>とされています。
ところで、建物などの建材で、パッと思いつくのはヒノキですが…
実は青森ヒバは世界遺産・岩手県の中尊寺金色堂や、青森県の弘前城、岩木山神社楼門、
北陸は石川県の因託寺などの歴史的建造物の建材として使われているのです。
ちなみに、青森ヒバは能登半島を中心に広く植林もされていて、輪島塗の木地に使用されています。
200年~300年と長い時間をかけてゆっくり成長し、樹高30m・直径80㎝にもなる樹木なのですよ。
それでは更に深掘りしてみましょう。
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【ヒバの森では鳥が鳴かない】
総ヒバ造りの家には、3年間蚊が入らない…
そんなふうにいわれるのだそうです。
それだけ虫除け効果が高いのですね。驚きです!
シロアリに対する忌避効果もとても優れています。
抗菌作用が高く腐りにくいこと
防虫効果が高いこと
これらはヒバの持つ薬効成分によるものです。
薬効成分は木全体に含まれており、木材にしてもその効果は薄れません。
加えて、長い年月をかけてゆっくり成長するため、
木目が緻密で美しく、強度が高いこと
耐水性が高いこと
このような特性のおかげで、中尊寺金色堂は900年経った今も、その姿を残しているのですね。
ヒバの森で鳥が鳴かないのは、餌になる虫が少なく、鳥が来ないから
…といわれます。
昆虫忌避作用が高いということを表しているのですね!
数年前、夏至の頃に下北半島の山に行ったことがありますが、
鳥の声はしたかな?しなかったかな…⁇
覚えておりませんm(__)m
ですが、雨上がりの午後、森が創ってくれた空気がとても清らかだったことは忘れられません。
話を戻して💦
次にアロマテラピーの観点からみてみましょう。
まずはヒバ精油のプロフィールから。
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【ヒバはヒノキ⁈】
○ヒバ
l 学名 Thujopsis dolabrata 別名:ヒノキアスナロ
l 科名 ヒノキ科
l 種類 常緑高木
l 主産地 日本(青森)
l 抽出部位 心材、根、枝、葉
l 抽出方法 水蒸気蒸留法
l 成分 ツヨプセン、キュプレネン、セドレン、セドロール、テルピネン-4-オール、シトロネロール、カルバクロール、ヒノキチオール他
l ノート ベース
l 作用 抗菌、防虫、抗真菌、抗酸化、消臭作用など
<はたらき…◇心 〇身体 ☆スキンケア>
◇森林浴をしているような香りは心の緊張を解き放ち、リフレッシュさせてくれます。
◇ストレスからくる様々な不調を緩和させてくれます。
〇トリートメントに使用すると血行を促進させ、冷えやこり、むくみなどの不調を整えてくれます。
(※皮膚刺激があります。濃度にご注意ください。)
☆肌を清潔に保ちながら乾燥を予防します。ニキビ肌のケアや頭皮のケアにも良いでしょう。
前述の薬効成分とはつまり、精油の含有成分のことです。
ヒバ精油にはさまざまな成分が含まれていて、カビや雑菌の増殖を抑えることが解っていますが、
中でも特徴的なのはヒノキチオールという成分です。
名前から、ヒノキに多く含まれているような印象を受けませんか?
最初に発見されたのがヒノキだったので<ヒノキチオール>と命名されただけで、実際ヒノキ精油にはあまり含まれていません。
(そうそう!ヒノキの精油もあります。機会があれば嗅いでみてくださいね。)
精油の中でヒノキチオールが最も多く含まれているのは、青森ヒバ精油なのだそうです。
とっても濃い、樹木の香りです。まさにヒノキ風呂の香り!
青森ヒバは腐りにくいため、伐採した枝などはなかなか土に還らないそうです。
精油成分が多いからなのですよね。
そこで、伐採した枝葉を蒸留して精油を採取してみたところ、分解されやすくなったそうです。
一石二鳥だったのですね。
ヒバ精油の使い方としておススメなのはスプレー。
これ一本で防虫、防カビ、抗菌、消臭作用が期待できます。
キッチンや水回りの掃除の仕上げにシュシュっと。
シューズボックスにも良いでしょう(^_^)v
室内にスプレーすると…お部屋が<森>に⁈
ヒーリングミュージックをお供にしても良いかも(*^^*)
バスルームにスプレーするのも良いですね。
また、ゴキブリ避けとして、コットンやアロマストーンなどに浸み込ませて<出そう>な所に置いてみてください。
前述の蚊やシロアリのほかに、ダニなど…困った虫を忌避する効果が高い精油です。
パワフルな樹木系の匂いが苦手な方は、レモングラスや柑橘系の精油を混ぜてみてくださいね。
「青森ヒバにはヒノキチオールが一番多く含まれている」といっても、
成分全体の1~2%程度。
精油は、たくさんの微量な成分が集まって出来ています。
匂いとは<調和>ですね♡
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青森ヒバが直径70㎝になるには、スギの3倍、約300年の年月がかかるそうです。
雪の多い地方でなければ育たないといわれる青森ヒバ。
別名のアスナロは
「ヒノキのように、明日なろう」
そんな意思をもって成長しているように見えるから、ともいわれます。
北国の厳しい環境に耐え、ゆっくりと…一つ一つ年輪を重ね、
強く、真っ直ぐ、美しく、天へと伸びています。
そんなヒバの恩恵を、私たちもちょっぴりいただいてみませんか。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました💖 chiko
5月 <若返りの妙薬>ホーリーバジル
暑くなってきますと、エスニック料理が食べたくなります(*^▽^*)
先日、スーパーにて目に飛びこんできた「ホーリーバジルを使っています」の文字!
なになに⁉ホーリーバジル!(*'▽')
思わず、そのガパオライスを買ってしまいました(笑)
エスニック料理独特のスパイシーなお味を、ホーリーバジルが爽やかにまとめてくれていて、
とっても美味しくいただきました。
そこで、
今回はホーリーバジル…ヒンディー語でトゥルシーのお話です。
ヒンドゥー教の美と豊穣の女神・ラクシュミーの化身とされる聖なるハーブなのですよ♡
熱帯アジアの国々に思いを馳せながら…(^^)
ホーリーバジルの歴史と働きをみてまいりましょう~♪
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まずは精油のプロフィールから。
※精油は食べられません!
【ホーリーバジル(Holy Basil)】
別名:Tulsi(トゥルシー)
和名:神目箒(カミメボウキ)
l 科名 シソ科
l 種類 一年草
l 主産地 熱帯アジア、オーストラリアなど
l 抽出部位 全草
l 抽出方法 水蒸気蒸留法
l 成分 オイゲノール、β-カリオフィレン、α-ヒュムレン、リナロール、カルバクロールなど
l ノート トップ~ミドル
l ブレンディングファクター 2
l 作用 鎮痛、鎮痙、抗酸化、抗感染、抗炎症、神経強壮、健胃、抗菌、抗真菌、
抗ウイルス、通経、抗うつ、引赤、加温作用など
<はたらきと適応…◇心 〇身体 ☆スキンケア>
◇ストレスで精神的に激しく消耗した時、また不安や憂うつ、無気力な時に、安らぎと活力を与えてくれます。
◇感覚を鋭敏にし、集中力を高めます。
〇食べ過ぎ、腹痛、便秘、お腹にガスが溜まって苦しいときは、胃から下腹部を右回りでオイルマッサージするのもお勧めです。
〇アレルギー性鼻炎などのカタル症状を和らげます。
〇脳の循環を促進し、記憶力の低下やうつ的症状、更年期等のもやもやした感覚を改善します。
○腰痛、肩こり、筋肉痛にはオイルに希釈して塗布します。
〇打ち身や捻挫の痛みにはクレイ湿布を。
〇少量月経を整えたり、引きつるような月経痛を和らげるにはオイルマッサージを。
そのほか、虫除けのためのスプレーやキャンドルに使ってもいいでしょう。
スパイシーでスッキリした、心地良い香りです。(個人の感想です!)
一般的にバジル精油といえば、スイートバジルの精油をさします。
イタリア料理でお馴染みの、あのバジルですね。
ホーリーバジル精油は、スイートバジル精油よりオイゲノールという芳香成分を多く含むため、
鎮痛作用・抗菌作用・免疫賦活作用などに優れているといわれます。
とてもパワフル精油なので、妊娠中、幼児、高齢者や、
持病のある人(特に術後や血液の疾患、消化器系に潰瘍がある場合)は、多量の使用を避けましょう。
次に、歴史を紐解いてみます。
インドやネパールなどでは、古くから宗教儀式や医療として使われてきました。
古代インドの伝統的医学<アーユルヴェーダ>の古典医学書チャラカ・サンヒター(紀元前200年頃)と、
ススルタ・サンヒター(紀元前400~紀元前100年)には、
蛇による咬傷やサソリによる刺傷に用いるということがすでに書かれています。
風邪や頭痛、消化促進や炎症を抑えるのにも良いとされていました。
また、若返りの妙薬(ラサヤナ)に分類されており、人に栄養を与え、長寿をもたらすともいわれているのですよ。
インドの民間療法としては、気管支炎などの去痰剤として、また胃のむかつきを抑えるためにお茶として飲んでいたそうです。
ちなみに、タイでも料理に使われます(*^^)v
ところで、ホーリーバジルは強い抗酸化作用をもつアダプトゲン植物でもあります。
<アダプトゲン>とは、ハーブの分類のひとつで、
ストレスに適応してバランスを回復させ、身体の正常な機能を維持する薬草群のことです。
全てのアダプトゲンには、抗ストレス作用、内分泌系を整える作用や、
免疫系を調整・賦活させる作用、抗酸化作用があるとされています。
抗酸化作用(身体を錆びつかせないはたらき)が強いということは…
ホーリーバジルはやっぱり<若返りの妙薬>なのかもしれませんね(*^▽^*)
アダプトゲンの例として
クコの実(ゴジベリー)、霊芝、朝鮮人参(高麗人参・おたね人参)、甘草(リコリス)、アマチャヅル、冬虫夏草などがあります。
聞き覚えがあるかも⁈ですね(^^)
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「ホーリーバジルに与える水、栽培する土壌、その葉や花・根・種など、
この植物に関わる全てが神聖である」のだそうです。
今は栽培キットもあるようですよ。育ててみるのも楽しいですね。
…そんな<神聖な環境>がない?
では!
水や土に、エネルギーヒーリングをしてみてはいかがでしょうか~(*^▽^*)
4月 マグダラのマリアとナルドの香油
芽吹きの春。命が芽吹く時でもありますね。
そしてこの時期、イースターエッグやウサギ(イースターバニー)のお菓子や雑貨をよく見かけます。
命と豊穣のシンボルの卵🥚(イースターエッグ)は、
同様に豊穣と多産のシンボルとされるウサギ(イースターバニー)が運んでくるといわれているそうです🐇
ゆで卵に絵を描いたり、シールやリボンで飾ったり…イースターエッグ作りは楽しいですよ♪
ちょっとしたアートワーク❢
最後は美味しくいただいちゃいましょうね(^^)
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ところで、復活祭(イースター)とは
十字架にかけられて亡くなったイエスが、3日後に甦ったことを祝う、キリスト教では重要な祭です。
春分後の 最初の満月の、次の日曜日とされ、
2022年は4月17日。
満月と日曜日がちょうど重なります🌕
クルス∞シオンでは特定の宗教をお薦めすることはありません。
ですが、クルス∞シオンにご縁のあるマグダラのマリアと香油について、
復活祭も近いので…少しお話したいと思います。
マグダラのマリアの香油といえば‥ナルドの香油。
キリスト教では、イエスが磔刑となり復活する前日までの最後の一週間を『受難週』といいます。
その中で、次のような出来事がありました。
イエスの一行が滞在していた家でのこと。
ヨハネによる福音書12章3節
『その時、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、
自分の髪でその足を拭った。家は香油の香りでいっぱいになった。』
ナルドの香油は 当時1年暮らせるほど高価なものでした。
それを惜しげもなく使ったマリアに対し、換金すれば貧しい人々を救えたのにとユダと一部の弟子たちが非難しました。
しかしイエスは擁護したのです。
死を迎えるための儀式をしてくれたのだからと。
マグダラのマリアは、イエスの死期を悟り
心を痛めながらもナルドの香油をアノインティングしたのでしょう。
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ナルドは現在も精油や生薬、香料として使われています。
【スパイクナード(ナルド)】 別名:甘松(かんしょう)
学名:Nardostachys jatamansi
科名:オミナエシ科
種類:草本
抽出部位:茎・根
抽出方法:水蒸気蒸留法
主成分:α-パチュレン、β-グルジョネン、パチュリアルコールなど
ノート:ベースノート
注意:妊娠中の使用は避けましょう
<はたらき…◇心 〇身体 ☆スキンケア>
◇神経の緊張やイライラを鎮め、安らぎと安定をもたらしてくれます
〇身体の機能を整え向上させてくれます。
☆炎症を抑え、血行を良くしてくれます。
スパイクナードはインド、チベット、ブータン、中国などの標高3000~5000mの山地に自生しています。
草丈1mほどで、緑色の小さな花を咲かせます。
フランキンセンスやミルラと同じように古い歴史を持つ薬草の一つで、
古代から伝統的な薬として、また神への捧げものとして宗教儀式でも使われてきました。
聖書に登場する<ナルドの香油>は、オリーブオイルなどにナルドを浸けて有用な成分を浸出させた
インフューズドオイル(浸出油)と考えられます。
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後にゴルゴダの丘で磔刑にされたイエス。
その様子をマグダラのマリアらが見守っていました。
イエスの身体は香油を塗布され、亜麻布で包んで埋葬されたのでした。
それから3日後。マグダラのマリアらは再びイエスの墓にやってきました。
ところが墓は空っぽ…
イエスの復活です🌈
香油は、復活の助けになったのでしょうね。
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復活祭(イースター)の17日(日)は、<Mum earth Healing>の日です✨🌕
あなたの中の、復活させたい何かについて
地球のために、復活させたい何かについて
想いを巡らせ祈るのも、いいかもしれませんね♡
なお、マリーマグダレン(マグダラのマリア)とご縁深い《ステラ☆マリアヒーリング講座》もございます。
ご興味のある方はこちらをご覧くださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
ハッピー・イースター❢✨(*^▽^*)
2022年1月【日本のアロマ】
昨年は後半から世界を旅してまいりましたが、
年が明けましたので(*^^*)いったん日本へ戻ります。
私たちは、お正月を迎えるにあたって様々準備をします。例えば…
しめ飾りや鏡餅を用意したり、松や千両など縁起ものが入った花を生けたり。
おせち料理のおめでたい由来に想いを馳せながら作ったり(いえ、買ってきたり^^;)します。
年が明けますと、神棚のあるお宅ではまず神さまにお参りされることでしょう。
初詣にもまいりますね^^
おめでたい由来に再度想いを馳せながら、おせち料理やお屠蘇をいただいたり♪
そして三が日が過ぎ、七草、鏡開きと続きます。
それら一つ一つに健康と安寧を願う意味があり、
改めて日本の文化を想う機会が多い時期ですね。
そんな今なので、日本における<香り>についてみていきたいと思います。
その歴史は飛鳥時代に遡ります。
香木について『日本書紀』巻二十二に記されています。
595年(推古3年)、淡路島の浜辺に流れ着いた木を島人が持ち帰り、
薪にしてかまどで火をつけたところ、その煙は大変良い香りがしたのでした。
驚いてその木を朝廷へ献上したところ、摂政だった聖徳太子は『沈香』という香木だと見抜いたということです。
日本で最初の<香り>の記述です。
淡路島の枯木神社が、香木伝来の地とされています。
一方で、538年(552年の説もあります)仏教が日本に伝来した時、
『供香(そなえこう)』として仏教儀式に欠かせないものだった<香>も一緒に伝えられたと考えられています。
世界中のどの文化でも、香りは<捧げもの>なのですね。
さて、この沈香という香木ですが、実は略称で本来は『沈水香木』といいます。
他の樹木と違い、水に入れると沈んでしまうのが由来といわれます。
沈香の生成過程は今だはっきりしていないそうです。
解っているのは、熱帯アジアに生育しているジンチョウゲ科の樹木、
英名ではアガーウッド(Agarwood)が元になっているということ。
この樹自体に香りは無いそうですが…。
何らかのストレス、例えば虫食いや病気、風雨による傷などで樹木内に空洞が出来ると、それを埋めるため樹液がしみ出します。
そこに特定のバクテリアが付着し、変質して『沈香』になるのではないか?といわれています。
多くの偶然が重なって出来上がった、大変貴重な香木。
奇跡の香りなのですね。
サクサクと時代を進めてまいりましょう。
奈良時代には鑑真和上によって多くの香木や香料、香の配合の知識と技術が伝えられます。
平安時代になると、貴族たちは仏教儀式だけではなく、生活空間でも香を使うようになります。
着物を香で焚き染めたり、頭髪に香りを移したりもしました。
香料は全て海外からの輸入品。
大変貴重な香料を少しずつ配合し、オリジナルの香りを創って楽しんでいたようです。
鎌倉時代以降武士の世になると、創った香りよりも、自然の香りの<香木>が好まれるようになります。
室町時代には、香木から僅かな木片を切り出し、そのほのかな香りを楽しむ『聞香(もんこう)』という楽しみ方が生まれ、
香道の基礎となりました。
香りは<聞く>のですね❢
そして安土桃山時代には茶道や華道・香道が成立し、芸道に高められて今に至ります。
香道では…
湯呑ほどの器に灰を入れ、その中心に小さな炭団を埋めて灰をならし、上に雲母をのせます。
さらにその上に米粒ほどの香木を置き、器を片手で覆うようにして、熱によって立ち上る微かな香りを聞き分けます。
私たちは繊細な文化を持っていたのですね(*^^*)
奈良・正倉院には黄塾香(おうじゅくこう)という香木が納められています。
蘭奢待(らんじゃたい)とも言われます。こちらの方が聞きなれているかもしれません。
長さ156㎝、最大径43㎝、重さ11.6㎏と大きなものです。
特別展などでご覧になった方がいらっしゃるかもしれませんね。
鎌倉時代以降に日本に入ってきたとみられていて、木肌には時の権力者たちが少しずつ切り取ってきた跡がみられます。
特に、足利義政、織田信長、明治天皇のお三方が切り取った箇所には今も付箋が貼られています。
このような貴重なものは、権力を持った者がその権力の象徴として、全て使ってしまってもおかしくありません。
大切なものだから、少しずつ、少しずつ…
日本的な価値観かもしれませんね。
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日本の香と西洋のアロマテラピーでは共通して使われる植物があります。
白檀(サンダルウッド)、乳香(フランキンセンス)、安息香(ベンゾイン)、没薬(ミルラ)、
丁子(クローブ)、桂皮(シナモン)など。
漢方薬として使われるものも多くあります。
そして、日本産の精油としては
北海道モミ(トドマツ)、青森ヒバ、クロモジ、ヒノキ、スギ、芳樟(ほうしょう)など樹木系。
薄荷やシソ。柚子や温州みかんなどの柑橘系。
それに沖縄月桃などがあります。
次回は、上記の日本産精油の中から、いくつかプロフィールをご紹介いたしますね。
最後に
11世紀の北宋の詩人・黄庭堅によって作られ、
日本では<一休さん>として知られる一休宗純によって広められた、
香気が人間に及ぼす作用を唱えた『香十徳』をご紹介いたします。
一、 感格鬼神(感覚を研ぎ澄まし)
二、 清浄心身(心身を清らかにし)
三、 能徐汚穢(よく穢れを取り除き)
四、 能覚睡眠(よく眠りを覚まし)
五、 能中成友(静けさの中に安らぎをもたらし)
六、 塵裏偸閑(忙しい時にも心を和ませ)
七、 多而不厭(多くても邪魔にならず)
八、 寡而為足(少なくても十分足りる)
九、 久蔵不朽(年月を経ても朽ちず)
十、 常用無障(常用しても無害である)
まさにアロマテラピーなのです❢
今月も最後までお読みいただきありがとうございました。