【クリスマスのお話】
2021年の冬至は12月22日。
そしてすぐに、クリスマスがやってきますね🎄
一見関係がないように見えますが…
実は冬至とクリスマスには深い関係があります。
今回はそんなお話を。
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【冬至祭】
古代、ヨーロッパには農耕民の生活と結びついたお祭りがありました。
例えば夏至祭や冬至祭です。
中でも日照時間が一年で最も短く、またこの日を境に昼の時間が延びていく「冬至」は、
農耕社会において特に重要な日でした。
日照時間が短くなるということは…
太陽の力が衰え、夜の闇が長くなり、凍える冬の魔力が増すことを意味したのです。
そこで人々はこの日、夜通し火を焚き太陽の光が再び強くなることを願い、翌年の作物の豊穣を祈ったのでした。
なお、季節の変わり目は悪霊が人里に降りてきて災いをもたらすと考えられていたので、
この時期各地で、自ら悪霊に変装して街を練り歩き、本物の(?)悪霊を追い払うお祭りも行われています。
ところで、キリスト生誕が12月25日に決まったのは西暦325年といわれます。
キリスト教以前…
ペルシャが起源のミトラ教が、ローマやその他の地域に広まり、信仰を集めていました。
その<太陽神ミトラの冬至祭>が12月25日頃。
皇帝ネロは自らを太陽神と称するほどミトラ教の影響を受け、冬至祭の日は国を挙げての祝日としたそうです。
また、北欧最大の祖霊祭<冬至祭ユール>は12月24日頃。
キリスト教が広まると共に、各地にあった冬至の祭は教会行事(教会のお祭り)と合わさっていったようです。
12月25日・クリスマスは、
太陽の復活と作物の豊穣を願う「冬至」と、キリスト生誕、そして先祖をお祀りする古代からの宗教観が組み合わさった日なのですね。
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【クリスマス飾り】
クリスマスといえば、ツリーとリース❢
ツリーの発祥については諸説あります。
ドイツの「聖ニコラウスの日」(12月6日)に家の中でモミを立てたことから…という説。
北欧の「ユール」の儀式から…という説などがあります。
共通するのは、常緑樹を飾るということ。
古代の「樹木崇拝」の名残りだと思われます。
太陽の力が弱まる冬でも、変わらず葉を茂らせている常緑樹は、太陽を元気付ける象徴でした。
個人的な感想ですが…
雪景色の中で見る常緑樹の葉は、緑というより黒々としていて、その姿は凛とした力強さを感じます。
ツリーの飾りにも意味があります。
昔ながらのクリスマスツリーを思い浮かべてくださいね(笑)。
キャンドルは光=太陽の復活。
ベルは喜びの訪れを知らせるもので魔除けのおまじない。
赤や金・銀の玉はリンゴの代わり。リンゴは昔から貴重な保存食でした。
リースは古代ギリシャが起源といわれています。
元々は結婚式や春のお祭りのものでしたが、次第に新年に親しい人の間で贈り合い、玄関に飾るようになったとのこと。
丸い形は「永遠」や「魔除け」を表します。
手作りされる方も多い<クリスマスリース>は、19世紀初頭からの習慣なのだそうですよ。
ここで、香るクリスマス飾りのご提案です♡
<用意するもの>
・両端にワイヤーの入った幅が広めのリボン
・ティッシュペーパーやコットンなど精油が浸み込むもの
・細めのリボンまたは毛糸など
・お好みの精油
1・ワイヤー入りリボンを適当な長さに切ります。
2・丸めたティッシュ又はコットンに精油を滴下し、半分に折ったリボンに挟みます。
3・半分に折ったリボンの上の方を細いリボン又は毛糸などで縛り、巾着袋のようにしたら出来上がり。(写真右上)
手縫いで巾着袋(サシェ)を作るのは(私にとっては)ちょっと大変ですが^-^;これなら簡単!
精油はフランキンセンスやミルラはもちろん、オレンジスイートやマンダリンなどの柑橘系や
モミやヒバなどの樹木系も良いでしょう♪
ツリーやリースのアクセントに、よかったらお試しくださいね(*^^*)
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【ホットドリンクレシピ】
この時期に飲まれている、カラダがホカホカになるドリンクをご紹介します。
材料はスーパーで手に入るものばかり。
クローブやカルダモンなどのスパイス類は香りが強いので、
お好みで量を調節してくださいね。
<グロッギ:ノンアルコール>
北欧でクリスマスの時期に飲まれています。
干しブドウとアーモンドスライスが決め手です。
●材料
100%果汁のクランベリージュース500ml
シナモンスティック1本
クローブホール6個
カルダモンパウダー小さじ1/2
1・鍋に材料を全て入れ、湧いてきたら弱火にし、ふたをして10分ほど温めます。
2・カップに注いだら、干しブドウとスライスアーモンドをトッピングして出来上がり❢
〇リンゴジュースやカシスジュースでもOK。
グレープジュースで作るとホットワインみたいになります♪
〇お好みで甘味を足しても良いです。
〇乾燥リンゴやショウガ、レモンを入れてもOK
<グロッギ:アルコール有>
ふらふらになっちゃう「グロッキー」は、グロッギが語源なのだそうですよ!
美味しいので、飲み過ぎにはお気をつけて(*^^*)
●材料(8人分)
(1)水350ml、砂糖300g、クローブホール4個、シナモンスティック1本、干しブドウ75g
(2)赤ワイン1本、レモン果汁2個分、オレンジ果汁1個分
アーモンドスライス適宜
1・(1)を鍋に入れ煮立たせます。
2・火から下ろして2を加え、今度は煮立たせないようにしながら再度火を通します。
3・スパイス類を取り出し、カップに注いだらアーモンドスライスをトッピングします。
<ホットワイン>
ホットワインというのは和製英語だそうで、
ドイツ語ではグリューヴァイン、フランス語ではヴァン・ショー、英語ではモルドワインというそうです。
クリスマスマーケットの定番ドリンクです。
●材料(1人分)
赤ワイン200ml、はちみつ小さじ1、クローブホール2~3個、シナモンスティック1本
レモンスライス1切れ
1・レモンスライス以外の材料を鍋に入れ中火にかけます。
2・沸騰直前で火から下ろし、スパイス類を取り出します
3・カップに注ぎ、レモンスライスを浮かべたら出来上がり。
〇レモンの代わりに、リンゴやオレンジ、ミカンでもOK。
〇はちみつが無いときは砂糖大さじ1位を加えてください。
●上記のレシピを白ワインに変えて、いちょう切りにしたリンゴ1/4個を加えて煮ても良いですよ。
<レンジでチン!のホットワイン>
お鍋も要らない!お手軽すぎるホットワインです。
1・マグカップ1杯の赤ワインにマーマレード小さじ2~3位を溶かします。
2・湯気が出る位レンジで温めます。よく混ぜてお飲みください♡
以上、材料はどれもほぼ同じですので、
普段は残ってしまうスパイス類もひと冬で使い切れそうです(笑)
お好みでいろいろ試してみてくださいね。
ちなみに、
シナモンは血行促進、強壮、消化促進、殺菌作用を持ち、身体を温めます。
クローブは抗酸化、消化促進、殺菌作用があります。
カルダモンは去痰、健胃、発汗、消化促進、食欲刺激作用があり、カレー粉やガラムマサラに使われています。
口の中をさっぱりさせる効果もありますよ。
日本では、冬至にかぼちゃを食べ、柚子湯に入る風習がありますが…
かぼちゃは保存がきくので、昔は野菜の少ない冬の間の貴重なビタミンAの補給源でした。
柚子は抗菌、消炎、血行促進作用があるので、冷えや風邪予防が期待されます。
さあ、今年もあと少し。
いにしえに想いを馳せながら、
疲れを溜めぬよう(^^)明るい新年を迎える準備をいたしましょう。
今回も長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
12月《フランキンセンス》
今月はフランキンセンス(乳香)とともに
エジプトから中東、そしてイスラエルへと旅します。
フランキンセンスについては昨年もご紹介していますので
良かったら参考にしてくださいね。
では❢
改めまして、プロフィールをご覧ください。
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【フランキンセンス】
学名 Boswellia carterii /Bouwerllia thurifera
別名 オリバナム /乳香(にゅうこう)
科名 カンラン科
種類 低木
主産地 ソマリア・エチオピア・オマーン他
抽出部位 樹脂
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分 α-ピネン、リモネン、p-シメン、ボルネオール他
ノート ミドル~ベース
<はたらき・・・◇心 ○身体 ☆スキンケア>
◇深いリラックス効果があります。
気持ちを鎮めたいとき、悲しいとき、心が疲れたときに。
興奮を静め、呼吸を深くゆっくりとさせてくれます。
○風邪の症状や、咳・喉の痛みなどの呼吸器系の不調を和らげます。
☆しわ・たるみなどの年齢を重ねた肌のスキンケアに。
皮脂のバランスを整えるので脂性肌のケアにも。
ひび割れなど傷ついた細胞を修復します。
ボスウェリア(乳香樹)は高さ10mにもなる木。
樹皮を削ると乳白色の樹脂がしみ出てきます。
2週間程そのままにして、固まったら削って採取しますが、
木から垂れるその様子がお乳のようなので<乳香>と呼ばれます。
ちなみに、フランキンセンス(Frankincense)の意味は<真の薫香>。
別名のオリバナムは<レバノン産の油>や<乳>の意味なのだそうですよ。
その香りは神秘的。
初めは柑橘を思わせる香りもします。
同時に、森林のような香りや…
どっしり落ち着いた、いかにも樹脂といった感じの香りなどが混ざり合った…
<神聖>というキーワードがしっくりくる香りです。
それでは!
まず、古代エジプトへ時間旅行出発です!
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【神を称える香り】
古代エジプトでは、一日何回かある礼拝でそれぞれ違う香りを神に捧げていた…
というのはミルラの回でお話しました。
上へ上へと昇っていく<香る煙>は、神への捧げものだったのです。
ミルラは正午の礼拝で使われましたが、
フランキンセンスは日の出の礼拝で捧げられていました。
ミルラと同じく、フランキンセンスも太陽神ラーと深い関係があるのですね。
<香り>を使えるのは権力を持った者でした。
権力者といえば…
かのアレキサンダー大王は子どもの頃からフランキンセンスの香りが好きだったそうです。
貴重なフランキンセンスを惜しげもなく使っているのを見て、家庭教師が進言します。
フランキンセンスが欲しいなら、領土を広げなさいと。
それが後の東方遠征に繋がった…ともいわれます。
エジプトへ戻りましょう(笑)
紀元前15世紀頃のファラオのひとり・ハトシェプスト女王は、プント王国(現在のソマリア付近といわれる)から
フランキンセンスを木ごと運ばせました。ダイナミックですね~!
その様子は、女王の葬祭殿の壁画に残されています。
また旧約聖書によると、シバ(シェバ)王国の女王は、名声高いソロモン王に謁見する際、
「…極めて大勢の随員を伴い、香料、多くの金、宝石をらくだに積んでエルサレムに来た」とあります。(歴代誌下9-1)
この香料とは、フランキンセンスだともいわれます。
シバ(シェバ)王国の一部は現在のオマーンだとされており、今も良質のフランキンセンスの産地です。
オマーン→エジプト→メソポタミア→イスラエル→ギリシャ・ローマへ至る道と周辺の遺跡群は、
ユネスコの世界遺産「乳香の道 The Frankincense Trail」として登録されています。
ちなみに、
古代エジプトでは、フランキンセンスの樹脂を炭化させて粉末にしたものを、目の周りに塗る習慣があったようです。
そういえば、壁画などで見る古代エジプトの女性は、特徴的な目元をしていますよね。
フランキンセンスのアイラインで、メイクしながら肌ケアも…⁈していたのかもしれませんね(^_-)-☆
【聖書の中の乳香】
先ほど旧約聖書の中のお話をご紹介しましたが、
聖書の中にはたびたびフランキンセンスが登場します。
※クルス∞シオンは、特定の宗教をお薦めすることはありません。
薬草の歴史とその希少性をお伝えしたく、聖書から引用させていただきます。
例えば旧約聖書・雅歌では…
「わたしの妹、花嫁は、閉ざされた園…封じられた泉。
ほとりには、みごとな実を結ぶざくろの森
ナルドやコフェルの花房
ナルドやサフラン、菖蒲やシナモン
乳香の木、ミルラやアロエ
さまざまな、すばらしい香り草。」(雅歌4.12―4.14)
花嫁を称えるための<素敵なもの>の一つに、乳香の木が挙げられています。
そして新約聖書では…
「家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。
彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。」(マタイ2・11)
マタイによる福音書には、占星術の学者たちが3つの宝を持って
生まれたばかりのイエス・キリストのもとを訪れた様子が書かれています。
没薬とともにフランキンセンスも貴重で神聖だったことが改めて解ります。
【オリーブオイル】
この頃、灯りにオリーブオイルを使っていたそうです。
マグダラのマリアの持つ香油は、オリーブオイルにミルラなどを使用したものといわれますし、
オリーブ山の麓・ゲッセマネの園でイエス・キリストは祈りました。
そこでオリーブオイルもご紹介!
学名 Olea europaea
科名 モクセイ科
抽出部位 果実
採取方法 低温圧搾法
アロマテラピートリートメントでは、オリーブオイルも使用しますよ(^^)
皮膚の細胞を再生させるオレイン酸とビタミンEを豊富に含み、
肌を温め柔らかくするので、乾燥した肌のケアや、日焼け後のケアにもどうぞ。
一般的なアロマテラピー用のオリーブオイルは、重くべとつきがあるため、
他のキャリアオイルとブレンドするのがおすすめですが、
良質のオリーブオイルはそのまま単独で使用することもできます。
よく、食用のオリーブオイルを使っちゃダメ?ときかれるのですが…
食品とはいえ保存料を使っているものが多いので、
ぜひアロマテラピー用のオイルを。<(_ _)>
もし、オリーブオイルの匂いがちょっと苦手なら、
オリーブスクワランオイルもお薦めですよ。
無色・無臭でサラッとしていて、肌への浸透力が非常に高いオイルです♡
スクワランは天然の保湿剤として人の皮膚にも含まれていますが、年齢とともに減少していきます(;_;
スクワランと聞くと、深海ザメを連想するかもしれませんが(^^;)
オリーブオイルの中にも微量含まれていて、分離抽出したものです。
オリーブオイル10mlにフランキンセンスを1~2滴。
12月の夜に、遠い異国を想いながら自分をケア♡
…なんていかがでしょうか。
1月のアロマ紀行は、いったん日本へ帰ります。
その前に!
クリスマスのお話を12月20日前後に配信いたします(*^-^*)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
11月《聖なるミルラ~再生~》
2回にわたり、ヨーロッパ・イタリアを旅してきました。
今月は地中海を渡って、対岸のアフリカ大陸へ♪
遥か昔より、神への祈りに捧げられてきた香り<ミルラ>のお話です。
その前に、ミルラのプロフィールをどうぞ。
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【ミルラ】
学名 Commiphora myrrha /Commiphora molmol
別名 マー / 没薬(もつやく)
科名 カンラン科
種類 低木
主産地 ソマリア、エチオピア
抽出部位 樹脂
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分 クミンアルデヒド、リモネン、オイゲノール他
ノート ベース
<はたらき…◇心 〇身体 ☆スキンケア>
◇心を深く落ち着かせます。また、気力を失った心を明るく元気にしてくれます。
〇呼吸器系の不調を楽にします。殺菌力が強く、細菌から身体を守ってくれます。
☆傷口を保護し、治りを早くしてくれます。
ひび割れや切り傷、滲出性の傷(ジュクジュクした傷)のケアに効果的です。
日焼け後の肌ケアにもどうぞ。消臭作用もありますよ。
コンミフォラ(没薬樹)は北アフリカ原産で、樹高6~8mになる、トゲのある木です。
木に傷をつけなくても樹液は自然と流れ出るそうで、固まって樹脂となると赤茶色になり、
それを遊牧民が採取していたそうです。
ミルラの香りは…不思議です。
樹木のようで、ちょっと酸っぱさを感じるような、薬っぽいような、落ち着きのある…
独特な香りです。
これはもう、嗅いでいただくしかないです(笑)m(__)m
私の経験では、喉が痛いときにティッシュにつけて深呼吸したところ、やはり痛みが和らぎました(^_-)-☆
では、まずは紀元前3000年頃の古代エジプトへ、タイムトラベル出発です!
【ミイラの語源】
遥か昔から、いろいろな文化で<香り(薫香)>は神への捧げものと考えられており、
その場(祈りの場)と、人を浄化するとされてきました。
このことから、香りは原料も含めて大変貴重なもので、その時々の権威の象徴でもありました。
古代エジプトにおいては、神官たちは、1日何回かある礼拝でそれぞれ違う香りを神へ捧げて祈りました。
日の出の礼拝では、太陽神ラーの汗が固まって出来たといわれる乳香(フランキンセンス)を。
正午の礼拝では、太陽神ラーの涙が固まって出来たといわれる没薬(ミルラ)を。
日没には、<キフィ>というお香を焚きました。
古代エジプト語で、<香を焚く>という意味の言葉は、<神聖>という意味もあるそうですよ(^^)
さて、<キフィ>は<聖なる煙>と、世界最古の医学書といわれる<エーベルス・パピルス>に載っています。
その処方は古代ギリシャ、ローマの医師に伝わり、現代にも残っています。
キフィの材料は、ミルラ、シナモン、ペパーミント、アカシア、レーズン、ヘンナ、ピスタチオ、オレンジ、
バラ、ハチミツ、ワインetc.で、新月に材料を合わせて熟成させ、満月に完成!
薫香のように焚いたり、薬としても使われていました。
みなさんご存知の、ミイラを作る部屋に焚いたりしていたそうですよ。
ミルラは強い腐敗防止作用からミイラ作りに使われており、
<ミイラ>はミルラが語源といわれています。
死と再生・甦りのためになくてはならないものだったのですね。
ちなみに…
<ラーの魂>とも<鮮やかに舞い上がり光輝く者>ともいわれるべヌウ(ベンヌ)という鳥は、
毎日朝日とともに生まれ、日没とともに死ぬそうですが、ミルラで出来た卵型の容器から甦るのだそうです。
(諸説あります<(_ _)>)
【3つの宝物】
さて次は、エジプトから東へ移動してイスラエルへまいります。
「…家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。
彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、
黄金、乳香、没薬を贈り物として捧げた…」新約聖書:マタイによる福音書2章11節
ご存じの方も多いでしょう、キリスト降誕の場面です。
贈り者をしたのは、東方の三賢人(三博士)で、
その宝物のひとつがミルラ(没薬)なのです❢(゜゜)
黄金と同じくらいの価値があったということですね。
少し時間を先に進めると…
キリストが十字架にかけられた後、ミルラとアロエを混ぜたものを身体に塗り、
布で包んで埋葬したともいわれています。
ミルラを通して<再生>というキーワードがありそうですね。
乾燥した大地にしっかり根を張り、生き抜いてきたミルラ。
現代を生きる私たちにも、力強さと心の平穏を与えてくれそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次の旅も、お楽しみに♪
10月《ネロリ~黄金の暁の女神~》
先月に引き続きまして、アロマの旅・イタリア編です(*^^*)
今回はビターオレンジの花から得られる精油<ネロリ>のお話です。
旅の前に、ネロリのプロフィールをどうぞ♪
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【ネロリ(Neroli)】
●学名: Citrus aurantium
●科名: ミカン科
●種類: 高木
●主産地: チュニジア、モロッコ、フランス、イタリア他
●抽出部位: 花
●抽出方法: 水蒸気蒸留法
●主要成分: リナロール、酢酸リナリル、リモネン、ネロール、ネロリドール、ゲラニオール他
●ノート: ミドル
<はたらき…◇心 〇身体 ☆スキンケア>
◇ショックや不安、憂鬱な気持ちを軽くし、興奮状態を鎮め、穏やかさを取り戻します。
心の中に抑圧された、根深い感情を解放してくれるかもしれません。
〇交感神経を鎮静させるので、眠れない時に。
〇神経痛・頭痛などの痛みや、女性の更年期の様々な不調を和らげます。
☆皮膚細胞を修復し、しわやたるみを防ぎます。敏感肌・乾燥肌・年齢肌のケアに。
肌の血色も良くします。
※深いリラックス効果をもたらします。集中力が必要な時は避けましょう。
少し苦味があり、華やかな…一度嗅いだら忘れなれないような香りです。
スイートオレンジなど、他の柑橘類の花から抽出したものもありますが、
ビターオレンジ(橙)の花から抽出された精油はネロリビガラートとも呼ばれ、
こちらの方が一般的な<ネロリ>です。
花から<ネロリ>、果皮からは<オレンジ>、葉と枝からは<プチグレン>という精油が得られます。
プチグレンは高揚作用はややネロリに劣りますが、リラックス効果は十分です。
こちらも他の柑橘類を原料としたものがあるので、学名でご確認くださいね。
そして、精油を水蒸気蒸留した際に得られる、オレンジフラワーウォーター。
そのままでもスキンケアに使える優れものです。
ちなみに…日本では、橙(ダイダイ)は<代々(栄える)>に繋がり縁起が良いとされ、
お正月飾りなどに使われてきました。
それでは、タイムトラベルへ出発です🕊
<ネロラ公妃の手袋>
ローマから北へ約50㎞の、ネロラ村(NEROLA)。
この地は以前、ネロラ公国と呼ばれていました。
1675年、フランス・パリからこのネロラ公国に、アンナ・マリア・デ・ラ・トレモイルが
嫁いでまいります。
夫でネロラ領主のドン・フラヴィオ・オルシニ公は、戦や政治より科学に熱心な方だったようです。
領地に自生するビターオレンジの花から精油を抽出して、花の都から異国にやってきた妻に
贈ったと伝えられています。
彼女はその香りをとても気に入り、身の回りのものに香り付けしたり、
沐浴に用いたりしました。
アンナ・マリア妃が通り過ぎた後には、なんとも良い香りがしたそうですよ♡
その後、アンナ・マリア妃の皮手袋の香りが、パリ社交界で大人気となります✨
そして、その香り・ビターオレンジ精油は<ネロラ公妃の手袋>にちなんで
<ネロリ>と呼ばれるようになりました。
当時、皮革の加工業が盛んだったのは、フランス南部のグラース。
その頃の革製品には独特のにおいがあり、手袋を外した手にも移ってしまっていたそうです(*_*)
このにおいをマスキングするために香料が使われ、
特に<香り付き手袋>は専門の職人がいたほどでした。
後にグラースは皮革加工から香水産業の一大地となり、今に至ります。
ビターオレンジ栽培も イタリアから南仏に移りますが、第二次世界大戦後に衰退。
産地は、地中海を渡って対岸の北アフリカ・チュニジアに移りました。
現在、ネロラ村にはビターオレンジの木は無く、オリーブが栽培されているそうです。
そして、ドン・フラヴィオ公とアンナ・マリア妃が暮らしたネロラ城(オルシニ城)は
当時の姿を残したホテルになっています。(Castello Orsini Hotel)
故ダイアナ妃も好んで使用したといわれるネロリ。
学名の<aurantium>には、<黄金の暁の女神>の意味があるそうです✨
秋の夜長に…優雅な気持ちになれるかもしれませんね(^_-)-☆
それでは、来月の旅もご一緒に♪
どこへ行くのか…お楽しみに(*^-^*)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
9月《ベルガモット~イタリアの雨上がりの春の朝~》
この秋、アロマプレイショップはちょっと趣向を変えまして…(*^-^*)
旅に出ます❢
9月と10月はイタリアへ参りますよ。
ではでは早速、ご一緒に~♪
【ベルガモット】
l 学名 Citrus bergamia
l 科名 ミカン科
l 主産地 イタリア
l 抽出部位 果皮
l 抽出方法 圧搾法
l 主要成分 酢酸リナリル、リモネン、リナロール、ベルガプテン、ベルガモテン他
l 作用 鎮静、高揚、強壮、去痰、抗うつ、抗菌、健胃、消化促進作用他
l ノート トップ
<はたらき>◇…心 〇…身体
◇不安や緊張・怒りを和らげ、明るい気持ちにしてくれます。
〇呼吸器系の不調を和らげます。
〇食欲が出ない時、胃もたれがする時に。ストレスからくる消化器系の不調に。
※光毒性を起こす(ベルロック皮膚炎)ベルガプテンを含んでいます。
FCF(脱フロクマリン製法)の精油もありますが、
肌への使用はアロマセラピストやインストラクターにご相談くださいね。
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ベルガモットはレモンとライムの交配種といわれている果実で、
イタリア・カラブリア地方の沿岸部…ブーツ型のイタリアの<つま先>の部分…が主産地です。
対岸のシチリア島では栽培ができないそうですよ。
生育に適する絶妙の<何か>があるのでしょうね(^_-)-☆
以前は果皮から搾った精油を海綿に吸わせて得ていましたが、
今は専用の圧搾機・ペラトリーチェを使用しています。
精油1㎏を得るのにベルガモットは200㎏必要なのだそうですよ❢
沈んだ気持ちは高揚させ、イライラした気持ちは鎮める<バランス>を取る精油で、
柑橘類の爽やかさと、少しの甘さを含む上品な香りです。
香りを嗅いで楽しむ、芳香浴にお勧めです❢
ちなみに、酢酸リナリルはラベンダーの主要成分でもありますよ。
《eau de Cologne》
さて、ここからは時間旅行へ❢(*^^)v
昔、イタリアには「アクア・ミラビリス(驚異の水)」という伝統的な薬用水がありました。
18世紀の初め、北イタリア出身のフェミニスやファリーナは、これをドイツのケルンで販売し
商品名を「ケルニッシュ・ヴァッサー(ケルンの水)」としました。
特にファリーナは、自身の工房を作り「ケルンの水」の処方を確立するのですが、
その主原料の一つがベルガモットでした。
「…私の香水は、私の故郷イタリアの雨上がりの春の朝の柑橘類、花、ハーブなどを思い出させます…」
香水が完成した時にファリーナが兄に宛てた手紙の一文です。
香りを想像しちゃいますね♡
なお「ケルンの水」はアルコールを(葡萄酒からの酒精を使っていた)使用した最初の香水ともいわれています。
古くは薬用水を香水として使ったり、またその逆もありました。
薬草のエキスを含んだものは、体にも良く香りも良かった、ということでしょうね。
さらに「ケルンの水」はフランスに渡り「eau de Cologne」と呼ばれます。
オーデコロンですね!(Cologne=ケルン)
そして全ヨーロッパへ広がっていったのでした。
ちなみに…
世界最古のオーデコロン工房「ファリーナ・ハウス」は今もあり、ファリーナさんが処方を守っています。
《アールグレイ》
次は19世紀のイギリスへ、飛びま~す(^^)
時の首相だったグレイ伯爵は、ラプサンスーチョンが大好きでした。
しかし、希少なお茶だったため、産地の中国からなかなか入ってきません(;_:)
そこでイギリスの紅茶商に、似たフレーバーのお茶を作るように依頼し、
出来上がったのが、ベルガモットフレーバーのお茶。
伯爵はたいそう気に入り、このお茶に自分の名前を付けました。
そう!<アールグレイ>(伯爵=Earl)の誕生です。
ところで、ラプサンスーチョン(正山小種)は龍眼や松葉で香り付けした、
とってもスモーキーなフレーバーティーです。
爽やかなアールグレイとはずいぶん違いますが…
癖になる!という点では同じなのかもしれませんね。
私はハマりました(笑)
イタリア(イギリスに寄り道)アロマ紀行、いかがでしたか。
次の旅も、ご一緒していただけたら嬉しいです(*^-^*)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
8月《赤と青》
暑~い夏、真っ盛り❢
みなさま、お変わりありませんか?
今月は、色が印象的なハーブのお話です。
まずは、赤。
【ハイビスカス】☆酸っぱさはクエン酸・ビタミンCは無いのm(__)m
l 学名 Hibiscus sabdariffa <別名>ローゼル
l 科名 アオイ科
l 使用部位 がく部
l 主要成分 植物酸(クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸)、アントシアニン色素(ヒビスシン他)、粘液質、
ペクチン、ミネラル(鉄、カリウム)
l 作用 代謝促進、消化促進、緩下、利尿
l 適応 肉体疲労、眼精疲労、便秘、循環不良
お馴染みのハイビスカス(*^^)v
名前は、古代エジプトの美の神・ヒビスに由来するといわれています✨
花かと思いきや、実はがくを使用しています。
植物酸とミネラルは、体内のエネルギー代謝と新陳代謝を高めます。
往年のマラソン選手で金メダリストのアベベ選手が飲んでいたとのことで
今でもハイビスカスティーは<天然のスポーツドリンク>といわれています。
その植物酸を効率的に摂取するのに欠かせないのがビタミンC。
そして<ビタミンCの爆弾>の異名(!)を持つのが、ローズヒップなのです(*^^)v
【ローズヒップ】☆ハイビスカスと相乗効果◎
l 学名 Rosa canina
l 科名 バラ科
l 使用部位 偽果
l 主要成分 ビタミンC、ペクチン、果実酸、カロチノイド(リコピン、β-カロテン)フラボノイド
l 作用 ビタミンC補給、緩下
l 適応 ビタミンC消耗時の補給、インフルエンザなどの予防、便秘
ローズヒップは、なんとレモンの20~40倍のビタミンCを含んでいるのです❢
ハイビスカスとは成分同士の相性も、味の相性も良し♡
市販のハイビスカスティーは、ローズヒップをブレンドしているものがほとんどです。
疲労回復や、感染症などによる発熱時のビタミンC補給に。
また便秘の解消に。腸内環境を整えましょう(*^-^*)
実は私、酸っぱいものがちょっと苦手m(__)m
ですが、「今日は疲れそうだなぁ…」という時にはハイビスカスティーを持ち歩き、飲んでいますよ。
飲んでいない時との違いが判ります。
暑いだけで疲れますもの(;^_^A
よろしければお試しくださいね✨
お次は青。バタフライピー(花蝶豆)です。
濃い青が目に涼しいバタフライピーのお茶は、ほんのり豆の香りがします。
カフェで夏のドリンクメニューに加わることが多くなりましたね(^^)
産地のタイでは、お茶や菓子・料理のほかに、
石けん・化粧水・シャンプー・染料としても使われているそうです。
【バタフライピー】
l 学名 Clitoria ternatea 別名:アンチャン 和名:蝶豆
l 科名 マメ科
l 種類 草本/多年草
l 主産地 タイ、インド他
l 使用部位 花・葉・さや
● 作用 抗酸化、抗炎症、抗菌、鎮痛、解熱、利尿、抗血栓、血栓溶解作用他
花の形が蝶に似ているので<Butterfly>🦋
花言葉は<小さな恋>ですって❢(*^^*)
ドライのバタフライピーをお湯に浸すと、あっという間に色が出ます。
まるでインクの様に濃い青色の正体は、
抗酸化作用を持つ、おなじみのアントシアニン。
バタフライピーにはブルーベリーの4倍のアントシアニンが含まれるそうです。
バタフライピーのお茶は、
・眼精疲労の緩和
・紫外線による酸化から眼の水晶体を守る→白内障予防
・活性酸素の抑制、細胞膜の保護→アンチエイジング(しわ・たるみ・白髪など)
・内臓脂肪の蓄積を抑える・コレステロールを下げる→血液サラサラ→血圧を下げる
…などの効果が期待されています。
眼は知らず知らず紫外線でダメージを受けていますよね。
その上、日々のスマホ生活…💦
ケアを忘れないようにいたしましょうね(^^;)
ちなみに
もう一つの青いお茶・マロウブルーの<青>はアントシアニジンによるもの。
同じ<アントシアニン>なのですが、強さと安定性が違います。
(アントシアニンの方が安定的で強い)
マロウブルーは粘液を豊富に含むハーブで、お茶として飲むと粘膜を保護してくれます。
喉の腫れや痛み・胃炎などの時に、ゆっくり、ごっ…くんと飲み込むと良いでしょう。
バタフライピーもマロウブルーも、
レモンを入れると、ピンク色に変化するのも面白いですね♪
ハーブティーで毎日のお疲れを残しませんように。
色と味を楽しんでみてくださいね✨
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
7月《虫よけに、シトロネラ❢》
梅雨に入り、蒸し暑くなってまいりました(^-^;
蚊が出てきましたし、
洗濯物は部屋干し…しかもなんとなくにおう⁉
そんな梅雨を爽やかに過ごせますように♡シトロネラのご紹介です。
【シトロネラ(Citronella)】
l 学名 Cymbopogon winterianus (ジャワタイプ) 和名:香水萱(コウスイガヤ)
l 科名 イネ科
l 種類 草本
l 主産地 インドネシア、スリランカ、ジャワ、アルゼンチン他
l 抽出部位 葉
l 抽出方法 水蒸気蒸留法
l 成分 シトロネラール、ゲラニオール、シトロネロール、酢酸ゲラニル他
l ノート トップ
<はたらき…◇心 〇身体 ☆スキンケア>
◇沈んだ気持ちを明るく元気にしてくれます
○風邪やインフルエンザの予防に
○頭痛や神経痛などの痛みを和らげます
○消臭作用があるのでデオドラントパウダーなどにも使われます
☆肌を柔らかくするはたらきがあります
シトロネラ精油には、ジャワタイプとセイロンタイプ(Cymbopogon nardus)があります。
なぜ蚊を除けるのか?実はメカニズムはまだ判明していないそうです。が・・
そもそも蚊は、生き物の呼気の二酸化炭素・体温・においを頼りに寄って来るとされています。
シトロネラの主要成分:シトロネラール、ゲラニオール、シトロネロールが、
人間や動物のにおいを消す(マスキングする)効果があるのではないかと考えられているそうです。
ゲラニオールとシトロネロールは、どちらもダマスクローズの主要成分でもあり、ローズの様な香気がします。
ジャワタイプはセイロンタイプよりこれらの含有量が多いので、より蚊よけ効果があるとされます。
それでは、虫よけアロマミストの作り方をご紹介✨
【材料】出来上がり:50ml
・アルコール(無水エタノール他)10ml ・精製水40ml ・精油5~10滴
【作り方】
1. アルコールを計量し、容器に入れます。
2. 1に精油を滴下します。入れたら容器のキャップを閉め、軽く振り混ぜます。
3. 精製水を計量し、2に入れます。入れたら同様にキャップを閉めて、振り混ぜます。
4. 自己管理ができるように、ラベルに作成日・使った精油などを記入し、容器に貼ります。
◎冷暗所に保管し1~2週間で使い切りましょう。
◎使う前によく振ってください。
【使用方法】
網戸やカーテン、外出前服やベビーカーにシュシュっとスプレーを。
実際は、蚊は寄ってきます。が!肌に止まらないので刺されません(*^^)v
また虫よけだけではなく、部屋干しの洗濯物や、履いた後の靴のにおい消しにも使えます。
スプレーも良いですが、もっと簡単な、靴のにおい取りの方法があります❢
1.ティッシュペーパーを軽く丸めてシトロネラ精油を1滴つけます。(レモングラス精油でもOKです♪)
2.1をフラットな靴(スニーカーや紳士用の靴など)なら真ん中に、パンプスではかかとの方に置きます。
※精油が直接靴に触れないように置きましょう
3.アルミホイルでふたをして、一晩おきます。
精油はシトロネラのほか、レモングラス、ラベンダー、ティートゥリーなどでも良いでしょう(*^^*)
よろしければ、お試しくださいね♬
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梅雨は、これから迎える暑い夏に向け<汗をかく練習>をする季節でもあります。
エアコンのおかげで汗をかくことなく快適に過ごせますが…逆に汗腺に角質が溜まりやすくなっています。
そして汗をかいたときに不純物も排出されるので、この時の汗はべたついてにおいを発します。
また年齢を重ねることで代謝が落ち、皮脂中のパルミトオレイン酸と過酸化脂質が結び付くと、
ノネナールというにおい成分が作られます。これがいわゆる加齢臭の原因といわれます。
過酸化脂質は肌の張りや弾力を低下させ、しわや色素沈着を起こさせたりもします。
その過酸化脂質を増やすのが<活性酸素>。
活性酸素は白血球の殺菌作用に関わっており、体内に入った細菌を攻撃するというプラスの働きもありますが、
ストレスや紫外線、電磁波などの要因で増えすぎてしまうと、体内の脂質を変化させ過酸化脂質を作るのです。
対策として、抗酸化物質の摂取をちょっぴり心掛けてみましょう♪
例:ビタミンA・C・E、赤ワイン(ポリフェノール)、お茶(カテキン)、ゴマ(セサミン)、
エビやカニ(アスタキサンチン)、ローズヒップティー、ペパーミントティーなども良いようです。
極端な暑さ・寒さもストレスになります。
季節の変わり目を楽しみながらも、なるべくストレスフリーでいたいですね♬
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
6月《ローズマリーのお話》
ローズマリーのお話に入る前に…
マグダラのマリア(マリー・マグダレン)のことをちょっとだけ。
キリスト教を題材にした絵画を見る時、描かれている人物が<誰か>を特定するものがあります。
アトリビュートといい、いわばその人物のシンボルで、複数あることもあります。
例えば…洗礼者ヨハネのアトリビュートにはラクダの毛の衣や十字架などがありますし、
聖母マリアは棘の無いバラや百合の花、また衣の色で表されることもあります。
ではマグダラのマリアは…🕊香油壺を持って描かれることが多いのです。
ナルドの香油でキリストの足を浄めたマグダラのマリア。
西洋絵画を見る時の、楽しみになればと思います💖
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ここからはローズマリーです。
育てているよ、という方も多いかと思います。
差し芽で比較的簡単に増えていきますよね(*^^)v
葉を触るだけで、スッキリしたいい香りがします。
この<いい香り>が精油成分♡
ローズマリー精油の働きとして
☆心に対しては…神経を刺激し、気力や集中力、記憶力を高め、身体全体に活力を与えてくれます。
☆身体に対しては…血液やリンパの巡りを良くし老廃物の除去を助けます。
頭痛などの痛みや、冷え・肩こりを和らげたり、呼吸器系の不調に効果的です。
また、年齢肌のスキンケアや頭皮のケアにも使われます。
古代より薬草として使われてきた、ローズマリーのエピソードをひとつ。
《若返りの水》
14世紀・ハンガリー王妃エルジェーべトは、高齢になってから手足の痛み(リューマチだといわれます)や
頭痛に悩まされていました。
そこで修道院から(諸説あります)献上された
ローズマリーを主原料としたチンキ(アルコールによる抽出液)を飲むとみるみる回復し、
しかも若返ったではありませんか!
その後、ポーランドの国王から求婚され、ハンガリーとポーランドはひとつになりました。
…という伝説があります。
そのチンキは後に<若返りの水><ハンガリーウォーター><ハンガリー王妃の水>などと呼ばれ
後世に伝えられました。
《ブレイントニック(脳の活力剤)》
古くから<記憶のハーブ>として知られ、活用されてきたローズマリーは、
近年、その精油の作用から認知症予防のアロマとしても注目されています。
鳥取大学医学部 医学博士の浦上克哉先生の研究によりますと…
アルツハイマー型認知症の症状として、まず嗅覚の機能低下があります。
特に腐敗臭などの<悪いにおい>が判りにくくなるそうです。
嗅神経細胞は、脳の神経細胞の中でも数少ない、再生できる細胞です。
嗅神経を適切に刺激すると、認知症予防や改善につながることが解ったのです。
では、どんな精油を使ったら効果的なのか?
嗅神経や海馬(記憶の中枢)の神経を一番活性化させる働きがあったのが
ローズマリー(ローズマリー・カンファ―)とレモンを2:1でブレンドしたものでした。
嗅ぐことで交感神経を刺激し、日中活動的にします。
逆に夜は副交感神経を優位にさせるラベンダーとオレンジスイートで
睡眠の質を高めます。
どちらも、1日のうち2時間ほど嗅ぐのが効果的とされます。
お世話する方・される方、どちらにもアロマテラピー効果が期待できますね♡
実は私、普段はローズマリーの香りがちょっと苦手です(^-^;
先日、喉の調子が悪くなりまして。
いつも頼りにしているユーカリ精油が無くなってしまい、試しに(!)ローズマリーを使ってみましたら…
なんていい香りでしょう!
身体が必要とすれば、においの感じ方も変わります。
おかげさまで、大事に至りませんでしたm(__)m
ちなみに、ローズマリーの学名 Rosmarinusは、海の雫の意味。
青く小さな花が、雫にも見えてきます♡
(花色には白やピンクもあります(*^^)v)
最後までお読みいただきありがとうございました。
5月《カモミール》
カモミールには、多年草で茎がほふく性のローマン系と、一年草で茎が直立しているジャーマン系があります。
古代エジプトからヨーロッパなどで昔から万能の薬草として使われてきました。
薬草療法家のニコラス・カルペッパーによると、古代エジプトでは熱病の治療に使われていたそうです。
古代ギリシャのヒポクラテスも、解熱剤として利用していたとのことです。
イギリスでは、床に撒いておき、踏むことで香りを漂わせて周りの殺菌に使ったと言われます。
また、カモミールは近くに植えてある低木類の病気を治すとされ、「植物のお医者さん」ともいわれてきました。
カモミールの語源は「地面のリンゴ」。香りがリンゴに似ているためです。
【カモミール・ローマン】
l 学名 Anthemis nobilis 和名:ローマカミツレ
l 科名 キク科
l 種類 草本(ほふく性多年草)
l 主産地 イギリス、ハンガリー、フランス、イタリア
l 抽出部位 花
l 抽出方法 水蒸気蒸留法
l 主要成分 アンゲリカ酸エステル類、カマズレン他
l ノート ミドル
【カモミール・ジャーマン】
l 学名 Matricaria chamomilla M.recutita
l 科名 キク科
l 種類 草本(一年草)
l 主産地 ドイツ、エジプト、ハンガリー、イギリス
l 抽出部位 花
l 抽出方法 水蒸気蒸留法
l 主要成分 カマズレン、ビサボロール誘導体、ビサボレン誘導体他
l ノート ミドル
精油の作用としてはカモミールローマン、ジャーマンともにほぼ同じで、
鎮痛作用、鎮静作用、消炎作用、抗アレルギー作用、緩和作用などがあげられます。
嗅ぐことで緊張や怒り、不安を和らげ心を穏やかにしてくれます。
また、キャリアオイルで希釈し肌に塗ることで、
頭痛や腰痛、肩こりを和らげたり、敏感肌や肌荒れのケアに使います。
カモミールローマンの精油は、まさにリンゴのようなフルーティーな香りがします♡
グリセリンを使ったスプレーで、ハンドミストなんてお勧めです。
一方、カモミールジャーマンは、
強力な抗炎症・抗アレルギー作用をもつ<カマズレン>を、ローマン系より多く含みます。
このカマズレン、植物の状態では存在しておらず、精油を抽出する過程の水蒸気蒸留で形成されます。
カマズレンは酸素と結びつくと青くなります。
このことから、カモミールジャーマン精油は青色(青緑色)をしています。
体調のケアにはジャーマン系が多く使われます。
【ハーブティーとして】
どちらも花をお茶として使います。
気持ちを落ち着けたり、胃痛や消化不良の時、眠れない時に飲むとよいとされます。
元キャビンアテンダントのアロマセラピストに伺った話ですが…。
フライトにはカモミールのティーバッグを持参していたそうです。
フライト後の夜、ホテルでカモミールティーを飲んで寛ぎ、
使ったティーバッグでお肌をパッティングしちゃうそうです!
消炎作用があるので日焼け後のケアにも使えるし、喉の痛みにはうがい薬として、
また身体を温める作用があるので風邪のひき始めのケアにもOK。
便利なティーだよ♡とのことでした。
可愛らしい花なので、見て楽しむのも良いですね♡
余談ですが…
以前庭にカモミールの種を撒いたことがあるのですが、
撒いた直後からアリが運んで行ってしまい(目撃しました^-^;)
とんでもないところで咲いているのを見つけた…ということがありました。
皆さまそれそれの楽しみ方を見つけていただくヒントになれば嬉しいです。
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
4月《トンカ・ビーンズ》
2021年春、例年より早く桜が開花しました。
満開の桜🌸お弁当を持って、家族や友人とお花見♪と、いきたいところですが、
コロナ禍の今は、遠目で愛でることにいたしましょう。
そんな、<遠目のお花見>のお供にお勧めの精油をご紹介いたします。
写真のように、石膏のアロマストーンに精油を滴下し、メンターム缶に入れれば、
持ち歩きもOK♡ふたを開けた時だけ、ほのかに香ります♪
ちなみに、石粉粘土(100円ショップにあり)を、メンターム缶の大きさに合わせてコロコロっと丸めて乾燥させても、アロマストーン代わりになります。
さてこの香り、<何か>に似ています。何処かでかいだことがある…。
桜餅を一口食べた時に鼻に抜ける…桜葉漬けの香りに似ているかも❢ 一体どんな植物から抽出されているのでしょう?
トンカ・ビーンズ(Tonka Beans)
●学名 Dipteryx odorata
●科名 マメ科
●種類 木本
●主産地 ブラジル他
●抽出部位 種子
●抽出方法 揮発性有機溶剤抽出法
●成分 クマリン他
●ノート ベース
中央アメリカから南アメリカが原産のマメ科の植物で、種子から得る精油です。
写真のアロマストーンには色がついていますが、このように濃い茶色をしています。
粘り気がある精油なので、使いやすいように希釈して販売されているものもあります。
桜餅の香りの訳ですが…クマリンという香り成分が関係しています。
トンカ・ビーンズには90%程含まれています。
このクマリンが、桜葉漬けの葉が発酵する過程でも生まれるようです。
全く違う植物なのに、同じ香り成分を含むので、互いに同じような香りがするのですね。
精油の作用としては抗菌作用や去痰作用から、呼吸器系の不調の緩和が期待されます。
トンカ・ビーンズには光感作(光にあたるとその部分が炎症を起こす)があるため、スキンケアへの使用は控えてください。
ここでちょっと豆知識。昔々、桜は<薬草>でした。サトザクラについてのお話です。
サトザクラは 伊豆大島に生息するオオシマザクラと、山野に見られるヤマザクラなどを交配して作られた園芸種の総称で、
多くは花が八重咲です。
奈良時代までは<花>といえば梅でした。それが平安時代以降、貴族を中心に桜が愛でられ、自分の家にヤマザクラを植え
たことから次第に新しい品種が作られるようになったのだそうです。
今では年中行事の<お花見>ですが、元はこの時期に作業が始まるイネ🌾の豊作を願って行うもので、その年の桜の咲き方で、出来具合を占ったそうです。
【サトザクラ】
●学名 Prunus lannesiana
●科名 バラ科
●別名 ボタンザクラ ヤエザクラ
●成分 フラボノイド(サクラニン)、カロチノイド、クマリン、ビタミンC他
〇作用 鎮咳(咳をおさめる)、去痰(痰を出しやすくする)、強壮作用等
民間療法の使い方としては
*風邪の時、乾燥させた樹皮(オウヒ)を煎じて飲む。オウヒ(桜皮)は咳に良いとされ漢方薬に配合されます。
*二日酔いや頭痛には塩漬けにした花弁をお湯に浮かべた桜茶を飲む。
*果実酒は滋養強壮に。サクランボには発汗作用、利尿作用、強壮作用があるとされます。
桜茶で目からもほっこり♡するのもいいですね🌸
香りでハートをリフレッシュ&リラックス❢参考にしていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。